EV車(電気自動車)の充電時間は?充電料金や快適に利用するポイントも
この記事では、EV(電気自動車)の充電方法や充電時間、料金や便利に使いこなすポイントなどを詳しく解説します。
初めてEV(電気自動車)に乗る方の中には「充電に何時間もかかりそうで使いづらくないだろうか?」と不安を抱く方も多くいるでしょう。
EV(電気自動車)の充電方法にはさまざまな方法があるため、快適に利用するためには状況に合った手段を見つけることが大切です。
【この記事でわかること】
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Contents
そもそもEV車(電気自動車)の充電方法は?
まず、EV(電気自動車)の一般的な充電方法について解説します。
充電方法には、以下の3つの方法があります。
- 普通充電
- V2H
- 急速充電
順番に見ていきましょう。
普通充電
普通充電とは一般家庭用の充電形式で、屋外に200Vのコンセントを設置しEV(電気自動車)にプラグ接続して利用します。
充電能力は基本が3kWとなり、オプションで6kWを選ぶことも可能です。
200Vコンセントの設置工事費は数万円程度で済みますが、別途専用のブレーカーを設置したうえで契約アンペア数を増やさなければなりません。(※1)
40〜50A(アンペア)の家庭用アンペア数のままでEV(電気自動車)を充電すると、ブレーカーが頻繁に落ちてしまうからです。
30kWの充電能力の場合、契約アンペアを+30Aすることをおすすめします。(※2)
(※1)四国電力管轄の場合は、契約アンペアはなく従量電灯Bプランを選択する
(※2)60Aを超えると、従量電灯Bから従量電灯Cへの変更手続きが必要(東京電力エリアの場合)
V2H
V2Hとは「Viecle to Home」の略で、EV(電気自動車)に充電した電気を家庭でも使えるようにしたシステムです。
そもそも、V2Hは台風や大雪などの災害に対する非常用電源として、EV(電気自動車)の大容量バッテリーを利用する目的で開発されました。
ポイントは、家庭の電気でEV(電気自動車)を充電できる機能を併せ持っている点です。
さらに、6kWで充電できるので充電速度が速くなります。
充電速度が速く、家庭用電気として利用できて便利な反面、初期コストが50〜90万円(本体価格)+工事費と高めである点は把握しておきましょう。
急速充電
急速充電は、自宅ではなくサービスエリアや公共駐車場などに設置されている充電設備です。
移動中に短時間で充電可能にするために、50kW以上の大電力充電が基本で普通充電のように50%充電するのに数時間かかるようなことはありません。
高速道路のサービスエリアなどでは、急速充電スタンドでの渋滞待ちを軽減するために「1回の充電時間は30分」という時間制限が設けられています。
【方法別】EV車(電気自動車)の充電時間
ここでは、方法別におけるEV車(電気自動車)の充電時間を解説します。
- 普通充電に必要な時間
- V2Hに必要な時間
- 急速充電に必要な時間
それぞれ、順番に見ていきましょう。
普通充電に必要な時間
EV車(電気自動車)は、常に満充電の状態ではバッテリー(リチウム電池)の劣化を招くため、通常は80〜90%充電での利用が推奨されています。
ここでは、電池残量が20%になった場合、90%まで充電するためにどれくらいの時間が必要であるのかを検証してみましょう。
<充電能力3kWの充電器でバッテリー容量40kWhの EV(電気自動車)を充電する場合>
- 40kWh×70%(90%−20%)=28kWh→90%まで充電するのに必要な電力量
- 28kWh÷3kW=約9.33h(時間)
上記の通り、約7時間で理想的な満充電ができる計算になります。帰宅して就寝している間に充電しておけば、翌日には満充電の状態で利用できます。
V2Hに必要な時間
V2Hの場合に、上記と同条件で満充電するのにかかる時間を検証してみましょう。
V2Hの充電能力は6kWのため、計算式は以下の通りになります。
- 28kWh÷6kW=4.66h(時間)
V2Hであれば、4時間40分程度で満充電が可能です。
急速充電に必要な時間
急速充電に必要な時間を割り出すためには、まず以下の3点を押さなければなりません。
- 現在、国内の急速充電器は「1回の使用時間は最大30分まで」と決められていること
- EV車(電気自動車)によって急速充電で受入可能な最大電力に制限があること
- 充電中バッテリー残量が50%を超えると充電出力が若干制御されること
従ってEV車(電気自動車)のバッテリー容量が20kWhしかなくても、急速充電における受け入れ可能な最大電力が30kWであれば、これをもとに充電時間を計算します。
以上2点を踏まえて、条件を設定してみましょう。
<充電能力:50kWの充電器でバッテリー容量20kWh、急速充電の受入最大電力が30kWのEV車(電気自動車)を急速充電する場合>
- 30kW×1/2=15kWh⇨30分で充電できる最大電力量
- 15kWh×80%=12kWh⇨残量が50%を超えると充電出力が20%ダウンすると仮定
上記のケースの場合、30分の急速充電で12kWhの充電(約60%)ができる計算になります。
【車種別】EV車(電気自動車)の充電時間
ここでは、EV車(電気自動車)の充電時間を車種別に比較してみましょう。
バッテリー |
60kWh |
20kWh |
66kWh |
77kWh |
16kWh |
普通充電(※1) |
約23.5時間 |
約8時間 |
約25.5時間 |
約26時間 |
約7時間 |
V2H(※2) |
約12.5時間 |
約4時間 |
約12時間 |
約13時間 |
約4.5時間 |
急速充電(※3) |
約60分 |
約40分 |
約65分 |
約65分 |
約35分 |
航続距離(※4) |
450km |
180km |
470km |
388km |
137km |
(※1)〜(※3)各メーカー公表値。バッテリー温度約25℃、バッテリー残量警告灯が点灯してから満充電までのおおよその時間。
(※4)各メーカー公表値。WLTCモードによる。
いずれの車種も、満充電するまでには数時間から終日かかるデータになっています。
外出先の急速充電器で30分充電すれば、上記の通り十分な充電になるでしょう。
EV車(電気自動車)の充電料金
ここでは、EV車(電気自動車)の充電料金を普通充電と急速充電の場合に分けて解説します。
<普通充電の料金>
まず、四国電力を利用した場合の基本料金から見ていきます。
EV車(電気自動車)を自宅充電する場合、容量不足でブレーカーが落ちないように従量電灯B(契約容量が6kVA以上50kVA未満)プランを選択します。
この場合、契約容量は最低でも7kVA〜9kVAは必要になります。(家族4人の場合)従量電灯Bプランの月額基本料金は、以下の計算式で求めます。
- 基本料金=374円×契約容量kVA
※1kVAは、アンペア換算で10Aに相当。
仮に、8kVAの契約容量にした場合の月額基本料金は、374円×8=2,992円/月額となります。
次に、自宅で普通充電した場合の料金を見ていきましょう。1ヶ月で130kWhの電気を自宅充電として使用したと仮定します。
※1kWhの電気量で約6.5km走れるEV。6.5km×130kWh=月間780kmの走行距離と想定。
従量電灯Bプランの電力料金は、120kWhまで1kWあたり16.97円、120kWhを超え300kWhまで1kWhにつき22.50円なので、以下の計算式で求められます。
- 16.97円×120kWh=2036.4円
- 22.50円×(130kWh−120kWh)=225円
- 2036.4円+225円=2,261.4円
以上のことから、月額の自宅充電による普通充電費用は2,261円となります。
一般的なガソリン車の燃費を15km/Lとし、ガソリン代を140円/Lと仮定すると、同様に月額780km走行した際のガソリン代は以下の通りです。
- 140円×(780km÷15k)=7,280円
【月間780km走行した時の燃料コスト比較】
EV車(自宅充電) |
ガソリン車 |
2,261円 |
7,280円 |
上記の比較を見ても、EV車の普通充電による電気料金はガソリン代よりも安く抑えられるといえるでしょう。
<急速充電の場合>
高速道路のSAやPAなどにある公共の充電スタンドは、eMPネットワークに繋がっており、利用するためには充電(認証)カードが必要です。
eMPに繋がった充電スタンドを利用できる充電カードは以下の3種類です。
- e-Mobility Powerカード(発行会社:e-Mobility Power)
- ZESP3カード(発行会社:日産)
- おでかけCard(発行会社:JTB)
上記のカードは、所有車の車種を問わずどんな EVでも公共の充電スタンドで利用可能です。
ここでは、ZESPカードの料金体系で急速充電料金を確認しておきましょう。
なお、充電スタンドは急速充電以外に普通充電も利用できるので、合わせて紹介します。
プレミアム10 |
プレミアム20 |
プレミアム30 |
シンプル |
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プランに含まれる充電回数 |
急速充電10回・ |
急速充電20回・ |
急速充電40回・ |
– |
登録手数料 |
1,650円/初回のみ |
|||
月額基本料金(3年契約の場合) |
4,400円(2,750円) |
6,600円(4,950円) |
1万1,000円(9,350円 |
550円 |
※充電時間は10分/回。使わなかった回数は翌月に繰り越し。
<プランに含まれる回数を超過し場合の充電料金>
プレミアム10 |
プレミアム20 |
プレミアム30 |
シンプル |
|
急速充電料金 |
385円/10分 |
330円/10分 |
275円/10分 |
550円/10分 |
普通充電料金 |
どれだけ使っても0円 |
1.65円/分 |
充電カードを持っていない場合は、充電器に掲示された「ビジター認証」で充電します。
手続きも煩雑なうえに高額のため、可能な限り充電カードを発行しましょう。
また、テスラやポルシェなどは独自の充電スタンドを展開していて、充電カードがあればeMPネットワークの充電スタンドも利用できます。
EV車(電気自動車)を快適に利用するポイント
ここでは、EV車(電気自動車)を快適に利用するポイントについて3つ解説します。
- 余裕を持ってこまめに充電する
- 充電スタンドの場所を把握しておく
- タイマー機能などを利用する
順番に解説していきます。
余裕を持ってこまめに充電する
EV車(電気自動車)における充電のタイミングは、ガソリン車と全く別物と考えましょう。
ガソリン車のように不足したら満充電するのではなく、最低でも充電残量が30%程度になったら80〜90%程度充電するようにしてください。
こまめに充電することによって、バッテリーを劣化させず良い状態に保てます。
充電スタンドの場所を把握しておく
EV車(電気自動車)を利用する際は、あらかじめルート上の充電スタンドの場所を把握して充電計画を立てておきましょう。
WEBやスマホアプリの充電スタンド検索サービスを利用することをおすすめします。
なお、おすすめのサービスは以下の3つです。
また、高速道路でロングドライブする際にはスマホ専用アプリの「高速充電なび」が便利です。
タイマー機能などを利用する
普通充電には、充電開始と停止を自動で行えるようにタイマーを設定できます。
あらかじめ電気料金の安い夜間充電を利用することもでき、充電時間を調節して過充電を防止することも可能です。
タイマー機能を上手に利用することで、電気代の節約やバッテリーの消耗を低減できます。
EV車(電気自動車)の充電時間に関するよくある質問
最後に、EV車(電気自動車)の充電時間に関するよくある質問をまとめます。
- EV車(電気自走車)の充電時間は今後短くなる?
- EV車(電気自動車)における充電時間の平均は?
- EV車(電気自走車)を無料で充電できるサービスがあるのはなぜ?
順番に回答していきます。
EV車(電気自動車)の充電時間は今後短くなる?
EVの開発はまだ始まったばかりで、今後急速の進歩を遂げることはほぼ間違いありません。
これからの時代、さらなる時間の効率化や仕事のIT化が進む中で、充電時間に数時間必要なEVは、ビジネス上の競争力を失っていくでしょう。
今後、リチウム電池に変わる高性能バッテリーが開発されるのも決して夢ではありません。
EV車(電気自動車)における充電時間の平均は?
EV車(電気自走車)の普通充電時間は、20kWhクラスのバッテリーを搭載している車種で半日、60kWhクラスになるとほぼ1日が平均といえます。
なお、多くの場合は帰宅後の就寝時に充電しますが、ガソリン車のように瞬時に満タンにできるわけではありません。
EV車(電気自動車)を無料で充電できるケースがあるのはなぜ?
一部の公共施設やショッピングモール、ディーラーなどにおいて、EV車(電気自動車)を無料で充電できる場合があります。
無料で充電できる理由としては、ショッピングモールなどは充電中に施設を利用してもらうビジネス上の狙いがあるからです。
ディーラーの場合も、同様にEV車(電気自動車)の拡販が狙いといえるでしょう。
また、公共施設は、昨今の環境問題からEV車(電気自動車)を公用車にしている自治体も多く、同じようにEV車を政策的に推進している場合があります。
EV車(電気自動車)の充電時間を把握してこまめに充電しよう
ここまで解説したように、EV車(電気自動車)は充電する時間や方法を工夫すればガソリン車よりも低コストでカーライフを楽しむことが可能です。
しかし、充電スタンドの普及率はガソリンスタンドにはまだ遠く及ばず、これからのさらなる発展に期待しなければならない点も多々あります。
とはいえ、自宅充電が可能で充電の都度ガソリン車のようにスタンドにいく必要がない便利さはとても大きな魅力といえるでしょう。
自宅に太陽光パネルが設置されていれば、日中取り込んだ電力でEV車(電気自動車)を充電し、大容量の蓄電池として生活電気として利用することも可能になります。
建匠では、EVも効率的に利用できる太陽光発電システムや再生可能エネルギーを利用した家づくりを提案いたします。
高知の工務店において太陽光パネルの搭載数No.1の実績があります。
PHVコンセントを標準仕様で搭載しており、200VでEV車(電気自動車)にも対応しています。
ローコストで、消費エネルギーを低く抑えられる住宅をお探しの方は、ぜひ一度建匠へお問い合わせください。
また、蓄電池・V2Hは城山展示場のモデルハウスにも搭載しているので、興味がある方はお気軽にご相談ください。