住宅ローンは何歳まで組める?注意点や年齢別のポイントも解説
この記事では、住宅ローンは何歳まで組めるのかを解説します。
住宅ローンは長期間に渡って組めるローンであり、最長で35年に設定可能です。
しかし、35年間ローンを組んだ結果、定年退職後も返済しなければならないケースがあり、限られた収入で完済を続けることは困難でしょう。
この記事では、住宅ローンを組む際の年齢に関する注意点やポイントを解説します。これから住宅ローンを組もうと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
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Contents
住宅ローンは何歳まで組めるのか
ここでは、住宅ローンを組める年齢について以下の2点から解説します。
- 住宅ローンを組める年齢の上限は70歳
- 住宅ローンを返済完了する年齢の上限は80歳
それぞれ見ていきましょう。
住宅ローンを組める年齢の上限は70歳
多くの金融機関では、住宅ローンを組むときの年齢に制限を設けています。
例えば、三大メガバンクでは以下のような年齢制限となっています。
銀行名 |
借入時の年齢制限 |
三菱UFJ銀行 |
借入時に18歳以上70歳の誕生日まで |
三井住友銀行 |
満18歳以上満70歳の誕生日まで |
みずほ銀行 |
満18歳以上満71歳未満 |
※参考1:住宅ローン 丨三菱UFJ銀行
※参考2:住宅ローン利用ガイド丨三井住友銀行
※参考3:みずほ住宅ローン商品概要丨みずほ銀行
上記の表から、住宅ローンを組める年齢の上限は70歳までだといえます。
また、国土交通省の『令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書』によると、97.2%の金融機関が融資を行う際に考慮する項目として、借入時年齢を挙げていました。
そのため、住宅ローンを組むときに70歳に近いかどうかは、審査に大きく影響するでしょう。
住宅ローンを返済完了する年齢の上限は80歳
三大メガバンクなどの金融機関では、借入時の年齢とともに返済完了時の年齢にも以下のような制限が設けられています。
銀行名 |
返済完了時の年齢制限 |
三菱UFJ銀行 |
80歳の誕生日まで |
三井住友銀行 |
満80歳の誕生日まで |
みずほ銀行 |
満81歳未満 |
※参考1:住宅ローン 丨三菱UFJ銀行
※参考2:住宅ローン利用ガイド丨三井住友銀行
※参考3:みずほ住宅ローン商品概要丨みずほ銀行
上記から、多くの住宅ローン商品で満80歳頃までに完済する必要があるとわかります。
また、国土交通省の調査でも、98.7%の金融機関が融資で考慮するポイントに完済時年齢を挙げ、最も回答数が多い項目となりました。
そのため、住宅ローンを組む際の年齢が70歳未満であっても、返済予定年齢が80歳を超えている場合は審査に通りにくいでしょう。
何歳までに住宅ローンを組むのが一般的か
ここでは、住宅ローンを組む一般的な年齢を解説します。
- 住宅ローンを組む平均年齢は42.8歳
- 住宅ローンを組む理想の年齢は25歳
上記2点をそれぞれ確認しましょう。
住宅ローンを組む平均年齢は42.8歳
近年、住宅ローンを組む年齢は増加傾向にあります。住宅金融支援機構が提供するフラット35では、以下のように年齢が増加しています。
年 |
住宅ローンを組んだ年齢 |
2012年度 |
38.9歳 |
2015年度 |
39.8歳 |
2018年度 |
40.1歳 |
2021年度 |
41.5歳 |
2022年度 |
42.8歳 |
※参考:2022年度 フラット35利用者調査丨住宅金融支援機構
過去10年間で3歳程度上昇しており、現在は平均年齢が42.8歳だとわかります。
また、2022年度のフラット35利用者を年代別に分けた結果、以下のようになりました。
年代 |
割合 |
30歳未満 |
11.8% |
30歳代 |
34.2% |
40歳代 |
27.4% |
50歳代 |
15.6% |
60歳以上 |
10.9% |
※参考:2022年度 フラット35利用者調査丨住宅金融支援機構
上記の表から、30〜40歳代のタイミングで住宅ローンを組むことが一般的だと考えられます。
住宅ローンを組む理想の年齢は25歳
住宅ローンを組む理想の年齢は一概にいえませんが、返済完了時まで安定した収入がある状態だと、定年退職後に返済への不安を感じずに済むでしょう。
厚生労働省の調査によると、91.1%の企業が定年年齢を60歳と定めています。
そのため、35年ローンで返済することを考えると、25歳で住宅ローンを組むのが理想といえます。
しかし、先程の『フラット35利用者調査』では30歳未満で住宅ローンを組む人は11.8%であり、25歳でローンを組む人は非常に少ないと予想できるでしょう。
また、多くの人にとって25歳は働き始めてわずか3年目であり、住宅ローンの審査で重視される勤続年数の項目で評価されにくいといえます。
あくまで理想の年齢として捉え、自身のライフプランや収入状況から適したタイミングを選択してローンを組むことが大切です。
※参考1:定年制等丨厚生労働省
※参考2:2022年度 フラット35利用者調査丨住宅金融支援機構
何歳までに住宅ローンを完済するのが一般的か
ここでは、何歳までに住宅ローンを完済するのが一般的か見ていきましょう。
- 住宅ローンを完済する平均年齢は75歳
- 住宅ローンを完済する理想の年齢は60歳
上記2点を順番に解説します。
住宅ローンを完済する平均年齢は75歳
国土交通省の『令和4年度 住宅市場動向調査 報告書』より、住宅の種類ごとに完済時の平均年齢をまとめました。
物件の種類 |
住宅取得時年齢 |
ローン返済平均期間 |
完済時平均年齢 |
注文住宅 |
43.8歳 |
32.8年 |
76.6歳 |
分譲一戸建て |
39.5歳 |
32.7年 |
72.2歳 |
分譲マンション |
44.8歳 |
29.7年 |
74.5歳 |
中古一戸建て |
45.8歳 |
28.4年 |
74.2歳 |
中古マンション |
46.3歳 |
28.5年 |
74.8歳 |
上記の表より、多くの人が75歳前後で住宅ローンを完済していると予測できます。
しかし、繰り上げ返済などで当初の予定より返済期間が短縮されている場合があることを把握しておきましょう。
住宅ローンを完済する理想の年齢は60歳
住宅ローンを完済する理想の年齢は、定年退職前だといえます。
退職すると毎月あった一定の収入がなくなり、場合によっては年金でローンを返済したり貯金を切り崩してローン返済に充てたりすることがあります。
そのため、安定した収入がある退職前にローンを返済することが理想です。
先述の通り、厚生労働省の調査では90%以上の企業が60歳を定年に設定しているため、60歳手前でローンを完済できると良いでしょう。
しかし、定年を60歳から65歳に変更する企業も近年増加しているため、自分の会社の動向を見ながら返済期間を設定することがおすすめです。
※参考:定年制等丨厚生労働省
住宅ローンを組むうえでの注意点
ここでは、住宅ローンを組む際の注意点を解説します。
- 諸費用も用意する必要がある
- 子育て費用・老後費用を考慮した計画を立てる
- 親子・配偶者とのローンも検討する
上記3つのポイントを順番に見ていきましょう。
諸費用も用意する必要がある
住宅ローンを組む際には、購入価格だけでなく諸費用も必要です。
諸費用には登記費用や印紙税、仲介手数料などが含まれ、購入費用の10%程度に相当します。
物件価格に合わせて諸費用も大きくなるため、価格が高い住宅を購入する場合は初期費用としてかなりの額が必要です。
ローン計画を立てる際には、諸費用を含めた全体の予算を慎重に計算しましょう。
子育て費用・老後費用を考慮した計画を立てる
家を購入して住宅ローンを組む際は、将来のライフステージに合わせた計画が必要です。
子育て期間中や老後は多額の出費が見込まれるほか、怪我や病気などで突発的にお金がかかる可能性も考えられます。
子どもの教育費や老後に使うお金などを考慮したうえで、万が一の事態にも対処できるように余裕がある返済計画にしておくと、順調に完済できるでしょう。
親子・配偶者とのローンも検討する
住宅ローンを組む際には、単独で借り入れる方法以外に親子や配偶者と共同でローンを組む選択肢があります。
返済の負担を分散でき、より金額が大きい物件を購入したり返済時の経済的負担を軽減したりできます。
しかし、共同でローンを組む際には、お互いの信用情報をしっかりと確認したうえで、万一の事態に備えた合意形成を予め固めておくことが大切です。
【年齢別】住宅ローンを組むときに考慮すべきポイント
ここでは、年齢ごとに住宅ローンを組むときに考慮するべきポイントをチェックしていきましょう。
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
- 60代
上記5点をそれぞれ解説します。
20代
20代で住宅ローンを組む際には、以下の注意が必要です。
- 将来の収入増加を見据えた柔軟な返済計画を立てる
- 自分の財務状況をしっかりと管理する
- 余裕を持った返済計画にする
20代はまだ働き始めたばかりの年齢であり、今後収入が増加すると見込まれます。
そのため、将来的な収入増加を考慮してローンを組むと、自分により合った住宅を選べるでしょう。
しかし、今と状況やライフスタイルが変化する可能性も大きい年齢です。自身の変化に柔軟に対処できるよう、余裕を持った返済計画を立てましょう。
30代
30代でローンを組むときは、以下を意識してみてください。
- 子どもの可能性を狭めない返済計画を立てる
- 返済期間を意識する
住宅金融支援機構の『フラット35利用者調査』によると、30代は住宅ローンを組む人が最も多い年代です。
子どもができて家の必要性が増し、住宅の購入を検討する人が多いといえます。
30代の人が住宅ローンを組む際には、将来子どもが私立の学校や塾、さまざまな習い事を選択肢に持てるよう、毎月の返済に余裕を持たせることが大切です。
また、働く企業の定年までに完済できる返済期間に設定すれば、退職後の不安を軽減できるでしょう。
※参考:2022年度フラット35利用者調査丨住宅金融支援機構
40代
40代でローンを組む場合は、以下を意識しましょう。
- 返済期間を短めに設定する
- 現実的な返済計画にする
40代では多くの人が安定したキャリアを獲得し、20代のときよりも高い収入を得ていると考えられます。
しかし、高い収入を理由に無理がある返済計画を立ててしまっては、子どもの教育費などに対処できないおそれがあります。
また、人によっては定年まで10年程度しかないケースもあるため、返済計画を短めに設定することもポイントの1つです。
50代
50代の人が住宅ローンを組むときは、以下に注意する必要があります。
- 頭金を多く用意する
- ボーナスをローン返済に充てて退職前に完済する
50代で住宅ローンを組む場合、退職までのわずかな期間で完済することを意識しましょう。
退職後にローン返済が残っていると、収入の減少から大きな不安を抱えてしまいます。
頭金を多く用意してローンの借入額を減らしたり、毎年のボーナスを繰り上げ返済に使って返済期間を短縮したりするなど、工夫が必要です。
60代
60代で住宅ローンを組むときは、以下のポイントに注意しましょう。
- 返済期間をできるだけ短くする
- 固定金利タイプを選択する
返済期間を長く設定してしまうと、完済時の年齢に不安があると見なされ審査に通らないおそれがあります。
できるだけ、返済期間を短く設定して将来の不安を軽減することが大切です。
また、変動金利タイプは金利の変化によって返済額が変わるため、ローンを組んだ時点で返済計画を細かく決定できる固定金利タイプを選択することがおすすめです。
住宅ローンと年齢に関するよくある質問
ここでは、住宅ローンと年齢に関するよくある質問に回答します。
- 返済期間が80歳までだと借入れのリスクは高い?
- 住宅ローンは何年で返すとお得?
- 住宅ローンの完済年齢を早めるためにはどうすればよい?
上記3つの質問をそれぞれ見ていきましょう。
返済期間が80歳までだと借入れのリスクは高い?
80歳までの返済期間では、借入れのリスクが高まるでしょう。
収入が減少する退職後もしばらく返済が続くことになり、月々の返済を大きな負担に感じやすくなります。
また、先述の通り多くの金融機関が完済時の年齢を審査で重視する項目として掲げているため、そもそもローン審査に通らないおそれが考えられます。
住宅ローンは何年で返すとお得?
住宅ローンの返済期間を短く設定すると、支払う利息の額が減少してお得といえます。
一般的に、15〜20年の返済期間なら、月々の返済額も無理がない範囲に抑えられて利息の負担も軽減されるため、バランスが良い期間だといわれています。
ただし、あまりに短期間での返済は月々の負担を大きくするため、自分の収入や将来のライフスタイルの変化を考慮して返済期間を選ぶことが大切です。
住宅ローンの完済年齢を早めるためにはどうすればよい?
住宅ローンの完済年齢を早めるためには、返済初期に多めに返済して利息の負担を減らすことが大切です。
ボーナス返済を利用して元本を減らせば、その分返済期間を短縮できるでしょう。
また、定期的に返済計画を見直せば、収入が増えた際には返済額を増やすなどの柔軟な対応が可能です。
何歳まで住宅ローンを組めるかを把握して返済計画を立てよう
この記事では、住宅ローンを組む年齢について解説しました。
住宅ローンは長期間にわたって組めるローン商品ですが、組むときの年齢や返済期間を意識しなければ、退職後にも返済が続くことになります。
この記事で解説したポイントを踏まえ、自分がローンを組むタイミングや返済期間をしっかりと考えましょう。
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