住宅ローン控除の確定申告を忘れた!初年度・2年目以降の対処法を紹介
この記事では、住宅ローン控除の手続きを忘れてしまった時の対処法を解説します。
住宅ローン控除は、住宅ローンを借りた人の所得税が控除されるお得な制度です。
住宅を購入した際にはぜひ利用したい制度ですが、手続きを忘れてしまうと控除を受けられないおそれもあります。
本記事では、住宅ローン控除制度の概要やケース別の対処法を詳しく解説します。
自分がどのケースに当てはまるのかを確認しておきましょう。
【この記事でわかること】
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Contents
そもそも住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用した場合に”年末時点での住宅ローンの残高の0.7%”が入居時から最長13年間、所得税や住民税から控除される制度のことです。
正式には『住宅借入金特別控除』と呼ばれます。
ここでは、初年度及び2年目以降に必要な住宅ローン控除の手続きを解説します。
- 初年度は全ての人が確定申告
- 2年目以降で会社員の方は年末調整
上記2点をそれぞれ見ていきましょう。
初年度は確定申告で申請する
住宅ローンを組んだ初年度は、会社員を含む全ての人が確定申告で住宅ローン控除を申請します。
確定申告の方法は下記の国税庁HPから確認できるので、不安な人は確認してください。
確定申告では、1月1日から12月31日までに発生した儲け(売上−必要経費)に対して発生する所得税を、自分で計算して申告する必要があります。
申告時に必要な書類は以下の通りです。
<一般的な必要書類>
必要書類 |
補足事項 |
本人確認書類 |
表裏両面のコピー
通知カードの場合は、通知カードのコピー+運転免許証やパスポート等のコピー |
源泉徴収票 |
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確定申告書 |
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住宅借入金特別控除額の 明細書 |
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住宅ローンの年末残高等証明書 |
毎年11月中旬くらいに送付されるケースが多い |
登記事項証明書 |
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不動産売買契約書等の写し |
土地を購入して新築する場合は、土地の売買契約書と建物の建築請負契約書の両方が必要 |
<認定住宅等の場合に必要な書類>
必要書類 |
補足事項 |
長期優良住宅建築等計画認定通知書のコピー |
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低炭素建築物新築等計画認定通知書のコピー |
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BELS評価書 (ZEH・ZEH-Mマークが表記されたもの) |
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設計住宅性能評価書・建築住宅性能評価書 |
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住宅用家屋証明書のコピー |
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また、初年度の確定申告の流れは主に以下の通りです。
<11月中旬頃:住宅ローンを申し込んだ金融機関からローン残高証明書が届く>
紛失してしまった場合は、早めに金融機関に連絡して再発行してもらう必要があります。
再発行に時間がかかる場合もあるので、注意が必要です。
<12月中旬頃:会社から源泉徴収票を受領する(会社員の場合)>
万が一、源泉徴収票が手渡されない場合は勤務先に確認しなければなりません。
<1月以降:各種必要書類を収集>
チェックリストを作成し、漏れが無いように注意しましょう。
<2月中旬:確定申告手続き>
e-TAXで申告可能です。間違いや修正にも対応できるように、早めの申告を心掛けましょう。
全ての作業が初めてだという人には、予定を立てて早めに行動することが重要です。
各作業項目をその都度チェックするように意識しましょう。
2年目以降で会社員の場合は年末調整で申請する
2年目以降で会社員の場合は、年末調整で住宅ローン控除に対応できます。
通常の年末調整に必要な書類に以下2つの書類を添えて、勤務先に提出してください。
- 住宅借入金等特別控除申告書
- 住宅ローンの年末残高等証明書
2年目の年末調整による住宅ローン控除手続きは、主に以下の通り実施します。
<10月中旬:住宅借入金等特別控除申告書が税務署から送付される>
国税庁の 『給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書の記載例』を参考にして、必要事項を記入しましょう。
<11月中旬:住宅ローンの年末残高等証明書が金融機関から送付される>
上記の特別控除申告書と年末残高証明書を年末調整に添付して提出すれば、住宅ローン控除を受けられます。
※参考:給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書の記載例丨国税庁
【初年度】住宅ローン控除の確定申告を忘れた場合の対処法
ここでは、初年度に住宅ローン控除の確定申告を忘れた場合の対処法を解説します。
- 5年以内に還付申告する
- 5年経過しそうな場合は迅速に手続きをする
上記2つの対処法を順番に確認していきましょう。
5年以内に還付申告する
確定申告を忘れてしまった場合でも、還付申告をする年の翌年1月1日から5年間の間に申告すれば控除を受けられます。
しかし、5年間あるとはいえ気付いた時点で速やかに手続きすれば確実です。
5年経過しそうな場合は迅速に手続きをする
5年間の還付期限を過ぎてしまうと払い過ぎた所得税は還付されません。
必ず、5年間の期限内に申告するようにしましょう。
また、住宅ローン控除制度では、所得税で控除しきれなかった分を住民税で控除してくれます。
ただし、住民税の控除を受ける際は、住民税の納税通知書が発送される前に住宅ローン控除の手続きを終了しておく必要があります。
住宅ローン控除の手続き前に住民税の納税通知書が発送されてしまうと、住民税の控除は受けられません。住民税の納税通知書は、毎年5〜6月に発送されます。
【2年目以降】年末調整で住宅ローン控除を申請し忘れた場合の対処法
ここでは、2年目以降に年末調整による住宅ローン控除の手続きを忘れてしまった場合の対処法を解説します。
- 勤務先で再度年末調整を申請する
- 自分で確定申告する
上記2つの対処法を確認しましょう。
勤務先で再度年末調整を申請する
勤務先に再度年末調整を依頼して手続きをしてもらえば、住宅ローン控除を受けられます。
ただし、勤務先が1月末までに再調整の手続きを終了している必要があります。
勤務先と相談して、期限内に再調整できるように手続きしましょう。
2月1日以降になると、自分で確定申告しなければなりません。
自分で確定申告する
勤務先で再調整できなかった場合、自分で確定申告をすれば還付が受けられます。
源泉徴収票と上記で解説した必要書類を添えて、申告手続きをしてください。
とはいえ、自分で確定申告をすることに不安を感じる人も多い傾向にあり、なるべく期限内に年末調整を実施しておくことが無難といえます。
確定申告で住宅ローン控除を適用し忘れた場合の対処法
ここでは、確定申告手続きは忘れず実行したけど確定申告の際に住宅ローン控除の手続きを忘れてしまった、という人向けの対処法を解説します。
- 確定申告の期限内に再申告する
- 早めに税務署に相談する
上記2点のポイントを順に確認しましょう。
確定申告の期限内に再申告する
確定申告の期限内(2月16日〜3月15日)であれば、再申告すれば問題ありません。
必要な書類を添えて住宅ローン控除を適用し、再度確定申告しましょう。
早めに税務署に相談する
申告期限を過ぎてしまったら、再申告や訂正はできません。
更正の請求は税金を多く納め過ぎた場合などにできる手続きであり、手続きの不備や忘れには適用できません。
申告期限を過ぎてしまった場合は、まず税務署に問い合わせてみましょう。
こうした事態を避けるためにも、確定申告の際には提出期限を厳守した上で手続き内容を繰り返しチェックしましょう。
住宅ローン控除のための手続きに関するよくある質問
ここでは、住宅ローン控除の手続きに関するよくある質問に回答します。
- 住宅ローン控除を受けるための必要書類をなくしたらどうする?
- 住宅ローン控除は、スマホやパソコンで申請できる?
- 確定申告は2年分同時に提出できる?
上記3つの質問をそれぞれ解説します。
住宅ローン控除を受けるための必要書類をなくしたらどうする?
住宅借入金等特別控除申告書は、税務署で再発行できます。
再発行の際は、 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金特別控除関係書類の交付申請書に必要事項を記入して、税務署に交付申請をしてください。
この用紙は、国税庁HPやリンク先からダウンロード可能です。
書類の再発行には、1〜2週間はかかるので余裕を持って手続きをしましょう。
また、借入金の年末残高等証明書は金融機関に依頼すると再発行できます。
ほとんどの金融機関で再発行の手数料はかかりませんが、中には数千円程度かかる金融機関もあるため、事前にチェックしてください。
借入金の年末残高等証明書も再発行に1週間〜10日程度かかるため、早めに手続きしましょう。
※参考: 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書丨国税庁
自分で住宅ローン控除を申告する場合にスマホ・パソコンから申請できる?
スマホやPCが利用できる環境であれば、個人・法人にかかわらず確定申告や住宅ローン控除の電子申告が可能です。
国税庁の利用ガイドも参照してみてください。
確定申告は2年分を同時に提出できる?
5年以内の期限を過ぎてしまった年数分については還付申告が可能です。
ただし、借入時から申告する年までのそれぞれの年について申告しなければなりません。
住宅ローン控除の確定申告を忘れたら、すぐに対応しよう
本記事では、住宅ローン控除の手続きを忘れてしまった場合の対処法を解説しました。
住宅ローン控除を受ける場合は、初年度に会社員の人も確定申告で手続きをしなければなりません。
初めて確定申告の手続きをする人は、申告漏れや間違いが生じないように十分注意してください。
万が一、住宅ローン控除の手続きを忘れた場合や間違いに気付いた場合は、速やかに再申告しましょう。
また、自分1人での確定申告や住宅ローンの手続きに不安がある場合は、事前に専門家に相談しておきましょう。
建匠では、高知県を中心に家づくりだけでなく、住宅ローンなど資金計画のご相談についても承ります。
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