夏の電気代は平均いくら?使いがちなエアコンの節約方法も解説
夏はエアコンの使用率が高く、1年の中でもエアコン電力の消費量が多くなる季節です。
2020年ごろから夏は猛暑日の続く日が多く、さらにウクライナ情勢による燃料代の高騰が生じたことで、電気代の値上がりが気になる人も少なくありません。
この記事では、ここ数年における夏の電気代を分析しながら、エアコンの消費電力を抑えるコツや電気代全般を節約する方法を解説します。
【この記事でわかること】
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Contents
夏の電気代は平均いくら?
ここでは、夏の平均電気代をチェックしておきましょう。
ここでは、以下の3つのカテゴリーにおいて夏の平均電気代を見ていきます。なお、夏の時季は、6〜8月の3ヶ月とします。
- 月別の平均電気代
- 世帯別の平均電気代
- 地域別の平均電気代
それぞれ見ていきましょう。
夏における月別の平均電気代
まず、2022年の月別電気代(全国平均)を総務省統計局のデータから見てみましょう。
<2022年月別平均月額電気代(全国平均)>(単位:万円)
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1.29 |
1.53 |
1.62 |
1.39 |
1.18 |
0.99 |
0.98 |
1.19 |
1.32 |
1.28 |
1.15 |
1.25 |
※参考: 総務省統計局家計調査
夏の電気代はそれぞれ1ヶ月後に請求・支払いが発生するので、7〜9月の電気代をチェックしましょう。
2022年のデータによると、電気料金全般については夏のシーズンが最も低くなっています。
- 春(4〜6月):3万5,600円
- 夏(7〜9月):3万4,900円
- 秋(10〜12月):3万6,800円
- 冬(1〜3月):4万4,400円
冬の間はエアコンだけでなく、コタツや電気ストーブ、ファンヒーターなどの使用頻度が高いため電気代総額は高くなっています。
夏における世帯別の平均電気代
ここでは、夏における平均電気代を世帯別に見てみましょう。
<2022年7〜9月世帯別平均月額電気代(全国平均)>
単身世帯 |
二人以上世帯 |
6,418円 |
1万1,662円 |
※参照: 総務省統計局家計調査
単身世帯の電気料金は二人以上世帯の電気代の半額以上になっていることがわかります。
夏における地域別の平均電気代
ここでは、地域別に夏の平均電気代を見てみましょう。
<2022年7〜9月の地域別平均月額電気代>
高知市 |
東京都23区 |
大阪市 |
福岡市 |
名古屋市 |
|
7〜9月別平均 |
1万1,749円 |
1万1,086円 |
1万595円 |
9,736円 |
1万2,863円 |
※参考: 総務省統計局家計調査
地域別に夏場の電気代を比較してみると、 夏場の電気代は調査した5エリアの中では名古屋市、高知市の順に高く、福岡市が一番低い結果となりました。
2022年7〜9月における平均電気代において、名古屋市は福岡市の約1.3倍、高知市は福岡市の約1.2倍となっています。
参考までに、各エリアにおける2022年8月の最高・最低気温を見ておきましょう。
<2022年8月の地域別平均最高気温と最低気温>
高知市 |
東京都23区 |
大阪市 |
福岡市 |
名古屋市 |
|
平均最高気温 |
33.6℃ |
32.0℃ |
33.8℃ |
33.8℃ |
33.1℃ |
平均最低気温 |
25.8℃ |
24.3℃ |
26.4℃ |
26.8℃ |
25.1℃ |
※参照: 過去の気象データ検索|気象庁
地域別に2022年8月の最高・最低をみてみましたが、各地域では東京が1℃ほど低いのを除けば、最高気温、最低気温いずれもそれほど大きな差はみられません。
各エリアにおける電気料金の違いは、気温差よりも各エリアの大手電力会社が設定する電気料金の違いによる部分も大きいと推測されます。2022年7〜9月時点において、中部電力は他の電力会社よりも2,000〜3,000円程度高く設定されていました(※)。
今後懸念される点としては、2023年6月検針分から電力会社によっては電気料金が値上げされることでしょう。関西電力・九州電力・中部電力の3社は値上げを見送りましたが、四国電力は従来の25.1%、東京電力は14.4%アップします。
2023年9月分までは緩和措置が取られていますが、10月以降は電気料金の負担が大きくなるので、高知市や東京23区では注意が必要です。
夏はエアコンの電気代の割合が大きい
※出典: 経済産業省資源エネルギー庁
夏場においては、エアコンによる電気代が全体の40%近くを占めています。
以下のグラフは、経済産業省が発表した、2022年度夏の点灯帯(19時頃)の電気使用割合を示したデータです。エアコンの使用割合は冷蔵庫や照明の3倍程度であることがわかります。
夏の電気代を節約するためには、「エアコンによる電力消費をいかに減らすか」が重要であることが把握できます。
それでは、夏場のエアコンの平均電気代を見ていきましょう。
夏におけるエアコンの平均電気代
夏場のエアコンによる電気代を地域別に算出してみましょう。
< 2021 年7〜9月の地域別 エアコンの平均電気代>
高知市 |
東京都23区 |
大阪市 |
福岡市(※) |
名古屋市 |
5,017円 |
4,306円 |
3,113円 |
5,069円 |
4,669円 |
※参考: 政府統計の総合窓口
※福岡市のみ2021年のデータがないため、2020年7〜9月のデータ
エアコンによる電力消費量を下げられれば、夏場だけでなく年間を通して電気代を節約できるでしょう。
電力消費量を下げることによって、家計だけでなく環境にも配慮する効果が見込めます。
夏にエアコンの電気代を節約する方法
ここでは、夏にエアコンの電気代を節約する方法を具体的に解説していきます。
- 自動運転モードにする
- 送風モードにする
- 扇風機やサーキュレーターと併用する
- 頻繁にオン・オフを切り替えない
- 定期的にフィルターを掃除する
- 室外機の周辺に物を置かない
1つずつ解説していきます。
自動運転モードにする
エアコンを利用する際は、できる限り自動運転モードを利用しましょう。
エアコンが最も電力を消費するのは、設定温度に達するまでの間です。自動運転モードにしておけば、設定温度になった際に自動で省エネ運転してくれます。
また、最短で設定温度に近づけるように自動運転が作動するので、トータルで電力量の消費を賢く抑えられます。自動運転モードを使用していない人は、ぜひ積極的に利用してください。
送風モードにする
夏場は、特に送風モードで部屋の空気を循環させて冷房効率を高めましょう。
暑い夏場は、送風モードで室内の空気を入れ替えたり空気の流れを作ることで、その後の冷房が効きやすくなります。送風時の消費電力量は、冷房時の最大消費電力の0.6%に過ぎません。
送風モードを効果的に利用して、電気代を節約しましょう。
扇風機やサーキュレーターと併用する
暖かい空気は上部に、冷たい空気は下部に溜まりやすい傾向があります。そのため、どうしても冷たい空気は部屋の下に溜まり全体を冷やせません。
こうした悩みを解決してくれるのがサーキュレーターであり、部屋の空気を循環させて冷房効率をアップしてくれます。
また、扇風機も同様の効果があり、冷えた空気をかき混ぜて部屋全体に冷気を広めてくれます。
サーキュレーターや扇風機を上手に併用して、エアコンの消費電力を下げましょう。
頻繁にオン・オフを切り替えない
エアコンは、電源をつけてからの数分間、室温を設定温度に近づけようと活発に稼働するため電力消費量が最も大きくなります。
具体的には、1時間程度のつけっぱなしであれば、一度電源を切って再度スイッチを入れるより節電になります。
そのため、頻繁に電源のオン・オフを繰り返していると、つけっぱなしにしているより電気代が高くなるので注意しましょう。
定期的にフィルターを掃除する
フィルターにほこりが溜まるとエアコンの効きが悪くなり、無駄な電力を消費します。
環境省の調査では、2週間に1回のフィルター掃除で4%程度の節電になるといった報告があります。
※参考: 家庭でできる節電アクション
フィルター掃除を2週間に1回程度、ルーティン化して定期的にメンテナンスしましょう。
室外機の周辺に物を置かない
室外機の上や周りに物を置いたり雑草が生い茂ったりすると、室外機に余計な負担がかかってエアコンの効きが悪くなってしまうので注意しましょう。
また、夏場の強い日光が室外機に直接当たると室外機そのものの放熱ができなくなり、エアコンの効率が下がるだけでなく、最悪の場合は故障のおそれがあります。
こうした事態を避けるためにも、暑い夏場は室外機の日除けにも配慮しましょう。
夏に電気代全般を節約する方法
ここではエアコンだけでなく、電気代全般を節約する方法について解説します。
電気代全般を節約する方法は以下の通りです。
- 電気料金のプランを見直す
- 待機電力を削減する
- 家電のつけっぱなしを避ける
順に見ていきましょう。
電気料金のプランを見直す
電気料金を下げる方法として、現在の電気料金プランを見直すこともおすすめです。
2016年に電力の小売全面自由化が行われたことにより、さまざまな新電力会社が新たな電気供給プランを用意しました。
また、2017年からはガスも自由化になったため、ガスとのセット割引商品を検討することもおすすめです。
四国電力においても、従来の従量電灯A・Bプラン以外にさまざまなサービスプラン(※)を用意しているので、ぜひチェックしましょう。
※参考: 料金プラン|四国電力
待機電力を削減する
待機電力とは、家電製品などを使用していなくても消費しているわずかな電力のことです。
実際に使用している電力と比較すれば、ごく少量の電力ではあるものの、コンセントをつけっぱなしにすると年間で6,000円強の電気代が発生します。
資源エネルギー庁によれば、ひと世帯あたり家庭消費電力量のうち5.5〜6.0%が待機電力とされています。
こまめにコンセントを抜いたり、省エネモードにしたりするだけでも電気代の節約になります。
家電のつけっぱなしを避ける
基本的に、家電のつけっぱなしは避けましょう。
上記で説明した通り、エアコンなどはオン・オフを繰り返すとかえって電気料金の負担が増える場合があります。
特に、つけっぱなしになりがちなテレビやエアコン、パソコン、照明などを使用していないときは電源を切りましょう。
夏の電気代を抑えるにはエアコンなどの使い方を見直そう
ここまで解説したように、夏の電気代を低く抑えるには、全電気使用量の約40%を占めるエアコンの使い方や温度設定の方法などを見直しましょう。
加えて、古い家電を新しい家電に買い換えることも電気代を低く抑えるコツの1つです。
冷暖房効率を高めるためには、家そのものの断熱性能を考えることも非常に有効な方法です。
これから新居を考える人やリフォームを検討されている方は、ぜひ自宅の断熱性能についても見直してみましょう。
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