太陽光発電は新築住宅に設置すべき?導入のメリット・デメリットを解説
新築住宅を購入する際に多くの人が太陽光発電を検討しますが、導入はどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
本記事では、太陽光発電の仕組みやメリット・デメリットを解説します。
太陽光発電は無料で導入できるわけではないため、しっかりと内容を理解した上で導入を検討することが重要です。
これから新築住宅の購入を検討している人は、ぜひ最後までお読みください。
Contents
そもそも太陽光発電とは
太陽光発電は太陽光を電気に変える仕組みであり、多くの機器を組み合わせることで電力確保を成り立たせています。
費用の内訳などを把握するためにも、太陽光発電の仕組みを正しく理解しましょう。
- 太陽光発電の仕組み
- 新築に太陽光発電は設置すべきか
ここでは、太陽光発電について上記2点の内容にも触れていきます。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電に使用する機器は、大きく分けるとソーラーパネル、ケーブル、パワコン、蓄電池です。
ソーラーパネルは屋根に設置し、太陽光の光を受けることで太陽電池に蓄電します。
太陽電池はソーラーパネルに組み込まれており、1つ1つのパネルが電池となります。
つまり、ソーラーパネルは太陽光の光を電気に変えて貯めておくための電池です。
集められた電力はケーブルを使い、パワーコンディショナーで交流に変換されます。通称「パワコン」と呼ばれるこの機器は、パネルと同様に重要な機器となっており、太陽光で集約した直流の電力を家庭用コンセントで使うための交流に返還する役割を担っています。
また、太陽光発電によって得られた電力は基本的に貯めておけません。
手段としては、電力を使い切ってしまうか後述する「売電」の2通りになりますが、蓄電池を使用することでも貯めておけるようになるでしょう。
このように、売電と買電、緊急時用電力という役割を太陽光システムが担っていることになり、災害が多い日本では導入する新築住宅が増えています。
実際に、一般社団法人太陽光発電協会の資料(※)によると、太陽光発電の導入件数は2019年度で約15万件となっており、その内の8割が新築住宅です。
※引用:一般社団法人 太陽光発電協会「太陽光発電の状況」
新築に太陽光発電は設置すべきか
新築住宅を購入する際に太陽光発電を設置すべきかどうかは、各家庭のライフスタイルによります。
例えば、核家族で常に家庭内に誰かがいる状態であれば、電力を太陽光で賄えるためメリットは大きいといえるでしょう。
その一方、夫婦共働きで家にほとんど誰もいないライフスタイルであれば、そもそも使用する電気料は平均よりも少なくなります。
したがって、太陽光システムを導入した分の費用回収が長期間にわたる可能性もゼロではありません。
その場合は新築住宅に太陽光を導入するのか、より慎重に検討する必要があります。
このように、将来にわたってどのようなライフスタイルとなるのかを家族間で話し合い、太陽光の導入を検討することが重要です。
太陽光発電を新築住宅に設置するメリット
太陽光発電を新築住宅に設置する場合、多くのメリットがあります。
実際に、どのようなメリットがあるのかを把握しておくことが非常に重要です。
- 電気代を節約できる
- 作った電気で収入を得られる
- 環境に配慮したエネルギーが採用されている
- 災害時に非常用電源として活用できる
上記4点のメリットは代表的な内容になるので、1つでも該当する場合は太陽光発電の導入を検討しましょう。
電気代を節約できる
今後、電気代の高騰が進むことを想定すると太陽光発電を設置することで、電気代の節約に大きく貢献できるといえます。
さらに、初期投資の元を回収できる期間も短くなるでしょう。
省エネドットコム(※)によると、東京都荒川区在住の月平均削減額は、昼間に多くの電気を使う場合で約4,300円、共働きで使用量が少ない場合でも約1,700円の電気代を削減できます。
※引用:太陽光発電で電気代削減!一戸建ての電気代はどこまで下がる?|省エネドットコム by 日本エコシステム
ライフスタイルによって使用する電気量は違うため削減額もバラつきがあるものの、ほとんどのケースで電気代の節約は可能です。
作った電気で収入を得られる
余った電気を売却し、収入を得ることも可能です。
先述した省エネドットコムの場合だと、昼間に多くの電気を使う場合では約7,600円、共働きの場合では約9,200円の売電収入を得られます。
つまり、電気代の節約分と合わせることで月額10,000円以上の電気代節約が可能です。
環境に配慮したエネルギーが採用されている
昨今、SDGsといった環境に配慮することへの意識が高まっています。
住宅業界においてもトレンドに影響していますが、具体的に何をすべきかが分からないという人も少なくありません。
太陽光発電の導入はクリーンエネルギーの利用に直結し、環境問題に直接取り組めます。
そのため、環境配慮に関する意識が高い人には、太陽光発電はおすすめといえるでしょう。
災害時に非常用電源として活用できる
蓄電池は太陽光発電の電力を貯めておき、災害時に冷蔵庫をはじめとする家電の電力を確保できます。
また、PHV車両の充電にも使用でき、移動手段が確保されるでしょう。
災害時の安全確保は、ライフラインを維持できるかどうかが重要なポイントです。
そのため、災害が多い日本において、太陽光発電による災害対策は非常に効果があるといえます。
太陽光発電を新築住宅に設置するデメリット
太陽光発電の導入はメリットだけではなく、デメリットもあります。
そのため、新築住宅に太陽光発電を導入する際にはメリットとデメリットの両方を把握し、後悔のないように判断することが重要です。
- 初期費用が発生する
- 発電量が不安定なケースがある
- メンテナンスが必要な場合がある
上記3点のデメリットを押さえておきましょう。
初期費用が発生する
太陽光発電は、初期費用が発生する点がデメリットの1つです。
メーカーによって異なりますが、太陽光発電だけで50〜90万円、蓄電池はこれに加え約150万円が初期費用として必要なケースがあります。
さらに、工事費用や足場代などを加算していくと、200万円前後の費用を概算としてイメージする必要があるでしょう。
発電量が不安定なケースがある
太陽光発電の導入時には新築住宅の屋根やエリアから、どのくらいの発電が可能かをシミュレーションし判断材料とします。
ただし、雨天や曇天が続いたり電柱やビルの建築があったりなど、想定よりも発電効率が下がるケースもあるので注意が必要です。
メンテナンスが必要な場合がある
ソーラーパネルは、鳥のフンで汚れたりパネルの下に鳥が巣を作ったりなどの事象があります。
その場合は、定期的にメンテナンスすることで初めて正常な発電効率を維持するため、メンテナンスフリーではないことを把握しておきましょう。
鳥害以外にも、飛来物によるパネルの破損が起きる可能性があります。
したがって、発電量が想定よりも下回っている場合は工事業者に相談し、パネルの状態を確認してもらいましょう。
新築住宅の太陽光発電に関するよくある質問
新築住宅購入時に太陽光発電に関する質問を受けることはよくあります。
- 太陽光発電を設置する際に補助金は出る?
- 太陽光発電の設置は将来的に義務化される?
- 太陽光発電を設置した場合に元が取れる期間は?
ここではよくある質問をまとめていますので、太陽光発電導入の検討材料にしてください。
太陽光発電を設置する際に補助金は出る?
太陽光発電における補助金は2014年に廃止されて以降、現在のところ予定はありません。
ただし、蓄電池に関する補助は自治体ごとに設置されています。
「エコ発蓄電池」では、蓄電池に関する補助金制度を調べることが可能です。
太陽光発電システムに蓄電池を含める場合は、必ず確認するようにしましょう。
※引用:蓄電池補助金一覧 | 家庭用・産業用蓄電池の価格比較・無料一括見積もりサービス【エコ発蓄電池】
太陽光発電の設置は将来的に義務化される?
2025年から新築住宅の太陽光発電が義務化するというニュースをよく見かけますが、正確には東京都で建設される新築住宅のみが対象です。
また、全ての新築住宅が対象というわけではなく、屋根面積20㎡は対象外など、ある一定量の発電を必要とする新築住宅が対象となります。
したがって、完全に義務というわけではありません。
太陽光発電を設置した場合に元が取れる期間は?
先述したシミュレーションをベースに考察した場合、200万円の初期投資を月額10,000〜12,000円で回収した場合、14〜16年で元を回収できることになります。
なお、今後も電気代の高騰が進めば更に回収期間は短くなるでしょう。
子供が産まれたタイミングで導入した場合は、部活などで最も電気代がかかるタイミングで初期投資費用を回収できることになります。
新築住宅への太陽光発電の導入を進めよう
新築住宅を購入する際には、なるべく太陽光発電システムの導入をあわせて検討するようにしましょう。
なぜなら、ランニングコストを下げられるメリットがあり、さらには災害時に大きな役割を担ってくれるからです。
その一方で、初期費用がかかるといったデメリットもある点に注意しましょう。
したがって、メリットとデメリットのバランスを確認しながら、納得のいく太陽光発電の内容で導入することが大切です。
建匠では、太陽光発電を搭載したゼロエネ×スマートハウス「ZERO」の家づくりを提案しています。
将来的に設置することを想定して、約450kgの太陽光発電を載せても充分な強度を備えた部屋が標準仕様です。
太陽光発電を取り入れた家づくりを検討している方は、ぜひ一度建匠へご相談ください。