新築の固定資産税はいくらかかる?計算方法や安く抑えるポイントも解説
新築の住宅を買うなどして、不動産を取得すると固定資産税の支払いが毎年必要になります。
「固定資産税は高いっていうけど、具体的にいくら?」「いつどうやって払うの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、新築にかかる固定資産税について解説します。
固定資産税の決定方法や新築の固定資産税の平均額を確認し、安く抑える方法も把握しておきましょう。
Contents
新築の固定資産税とは
固定資産税は地方税のひとつで、不動産などの固定資産に課せられる税金です。
不動産には居住用の住宅や土地だけでなく、商業利用されている建物、田畑が固定資産税の対象となっています。
駐車場も不動産に含まれるため「土地」として固定資産税の対象となっていますが、屋根がある場合は「建造物」として課税されることがあります。そのため、条件次第では課税対象が変わることがあるため注意が必要です。
- 固定資産税の決定方法
- 固定資産税の納税は毎年変わる
- 都市計画税が必要な場合も
ここからは、固定資産税の上記3点について詳しく解説していきます。
固定資産税の決定方法
固定資産税は、建物や土地の評価額によって決定されます。
建物は新築時に調査を行なって評価額が決められ、土地は固定資産評価額によって決まります。
土地の上に建物がある場合は「家屋部分」と「土地部分」のそれぞれで計算されます。固定資産税を決定するときに使われるのは固定資産評価額で、不動産の購入費用は関係ありません。そのため、不動産の価格が高額だったとしても固定資産税が高いとは限りません。
また固定資産税額の決定は各自治体が行なうため、納税額が知りたいときには自治体から届く「固定資産通知書」で確認しましょう。
固定資産税の納税は毎年変わる
固定資産税は変動制の税金のため、税額は毎年変わります。税額が変わる理由は評価額にあり、評価額が年によって変更されるため、それにともなって固定資産税額も変わります。
評価額の変動は建物と土地で異なり、建物は基本的に築年数が経つほどマイナスとなります。
建物は大切に使っていたとしても経年劣化を防ぐことはできず、年数に応じて評価額は下がっていきます。
しかし土地の場合は、建物のように経年劣化を起こすことはなく、社会情勢や地域の価格変動によって、評価額が上下するため、固定資産税も同様に変化します。
都市計画税が必要な場合も
地域によっては固定資産税だけでなく、都市計画税も支払わなければならないことがあります。
都市計画税は地方税のひとつで、都市整備や公共事業のための費用として徴収される税金です。
固定資産税と同様に建物と土地に対して課税されて、固定資産税と一緒に支払います。
税率は地域によって異なり、最大税率は0.3%です。
固定資産税の標準税率が1.4%なので、合わせて評価額の1.7%を税金として支払うことになります。
新築の固定資産税の平均額は10万円
3,000万円の新築住宅の場合、年間の固定資産税は10万円前後と言われています。
1ヶ月あたりの金額に直すとひと月1万円ほどです。
固定資産税の金額は上記の通り地域によってことなりますが、標準税率である1.4%を採用している自治体が多いです。
ただし、人口の少ない地方の自治体は税収が少ないため税率が高い傾向にあります。
高知県内の税率は高知市・須崎市の税率は1.5%で、南国市・香美市など市区町村は標準の1.4%です。
固定資産税の計算方法
固定資産税額は以下の式で計算することができます。
「固定資産税額=固定資産評価額✕税率」
住宅の場合には以下の二つの特例が適用されます。
- 住宅用地で200㎡以下の部分(小規模住宅用地)については課税標準額が1/6となる
- 住宅用地で200㎡超の部分(一般住宅用地)については課税標準額が1/3となる
上記の計算式と特例を使って固定資産税を計算することができます。
新築・中古の固定資産税を実際にシミュレーション
解説した固定資産税の計算方法を、実際に以下の4つのパターンでシミュレーションしていきます。
- 新築一戸建て
- 新築マンション
- 中古一戸建て
- 中古マンション
順番に解説していきます。
新築一戸建て
新築戸建ての場合、建物と土地の両方に課税されます。
建物の評価額を2,000万円、土地の評価額を1,000万円だとすると、以下の式になります。
- 「(2,000+1,000)×1.4%=42万円」
200㎡以下の特例が適用されると建物の評価額は1/6になるため以下の式になります。
- 「(1,200+1,000)×1.4%=30.8万円」
ただし、新築の住宅の場合にはさまざまな軽減税率が適用されるため実際の固定資産税はもう少し安くなる傾向にあります。
新築マンション
新築のマンションでの固定資産税額は土地がほぼないので、建物が課税対象の大半になります。
不動産の評価額を3,000万円だとすると以下の式のようになります。
- 「3,000×1.4%=42万円」
中古一戸建て
戸建て住宅で築年数が35年ほど経つと評価額は新築時に比べて10%ほどになり、土地と一緒に課税されます。
建物の評価額を200万円、土地の評価額が1,000万円だとすると以下の式になります。
- 「(200+1,000)×1.4%=16.8万円」
中古マンション
マンションは戸建て住宅に比べて、評価額はそれほど下がりません。
築35年のマンションの固定資産評価額は新築時の40%ほどになります。
不動産の評価額を1,200万円だとすると以下の式になります。
- 「1,200×1.4%=16.8万円」
新築の固定資産税を安く抑える方法
毎年支払う固定資産税は安く抑える方法があるのをご存知でしょうか。
通知された固定資産税の金額をそのまま支払っていては損をしてしまいます。
そこで、新築の固定資産税を安く抑える以下3つの方法を紹介します。
- 減税措置を利用する
- クレジットカードで支払う
- 家屋調査を慎重に行う
詳しく解説していきます。
軽減措置を利用する
一部の建物や土地は固定資産税の減税対象となっていることがあるため、軽減措置を活用しましょう。
固定資産税の軽減措置の種類はとても豊富で、地域によって手続きの有無は異なります。
申し込みが必要かどうかは事前に確認しておきましょう。
自治体のホームページで固定資産税の所轄部署を調べると確認することができます。
クレジットカードで支払う
固定資産税の支払いをクレジットカードで使うことで、お得に支払えます。
ポイント還元制度があるクレジットカードでは還元額分のポイントを手に入れることができます。
ただし、手数料が自治体によって違うため、「手数料よりも還元分のほうが高いか」は見極めが必要なポイントです。
家屋調査を慎重に行う
建物の新築時には家屋調査が行なわれます。
家屋調査の結果によって、評価額が変わるため、家屋調査にはなるべく立ち会いましょう。
評価額の決定は家屋調査員が行なうため、間違ってしまうことがあります。
間違った金額を支払ってしまうと本来よりも高い金額を支払うことになります。
分からないことがあれば、評価額が決まる前に申し出て、間違いが無いか確認しましょう。
新築の固定資産税の滞納に注意
固定資産税の支払いが遅れてしまうと「延滞金」が発生します。
延滞金は納付期限の次の日から発生し、最初のひと月は割合が低いですが、そのあとは一気に高額になります。
1年延滞してしまうと14.8%も上乗せされるため、なるべく早く支払いましょう。
さらに督促状や催告を無視して延滞を続けてしまうと。すぐに貯金や不動産が差し押さえられてしまいます。
新築の固定資産税に関するよくある質問
最後に、新築の固定資産税に関するよくある質問をまとめました。
・新築の固定資産税は誰が払う?
・新築の固定資産税はいつからかかる?
上記2点について、回答していきます。
新築の固定資産税は誰が払う?
固定資産税は対象となる不動産を保有している人が支払います。
支払い方法は金融機関からの振込、口座振替、クレジットカードなどがあります。
新築の固定資産税はいつからかかる?
固定資産税は家が建った日ではなく、その年の1月1日時点で不動産があるかどうかで、所有者に対して課税されます。
つまり、1月1日時点で不動産を取得していれば、その年の4月1日~3月31日までの固定資産税が課税されます。
反対に1月2日に不動産を取得したときには翌年から固定資産税が発生することになります。
新築一戸建ての固定資産税は何年で下がる?
一戸建ての場合、経年劣化があるため毎年建物の評価額は下がっていき、固定資産税もそれに伴って下がります。評価額は10年でおよそ新築時の60%の評価額となり、20年で25%になります。
まとめ:新築の固定資産税は安く抑える工夫をしよう
固定資産税は家や土地などの不動産に対して課税される税金です。税額は自治体が設定している税率によって計算されます。
ただし、土地や建物の条件によっては特例や減税措置を受けられる場合もあるため、工夫することが大切です。
減税措置の種類は非常に多く、各自治体によって異なります。確認する方法は各自治体のホームページにアクセスし、固定資産税の所轄部署を調べましょう。
また、クレジットカードで支払うとポイント還元を受けられるため活用することもおすすめです。
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