省エネ住宅とは?性能や基準・種類・メリットも詳しく解説
どんな家に住みたいかを考える上では、デザインや間取りに目が行きがちですが、住宅の省エネ性能にも注目したいところです。
省エネ住宅には様々な種類がありますので、どれが自分たちの暮らしに適しているか悩まれている方も多いでしょう。
そこで本記事では、省エネ住宅の基準や種類について解説しますので、マイホーム購入を検討中の方は、ぜひとも最後までお付き合い下さい。
Contents
省エネ住宅とは?
省エネ住宅とは、従来の住宅よりも優れた断熱性や気密性などにより、消費するエネルギーを抑えた住宅のことを指します。
夏は涼しく、冬は暖かく過ごせることが特徴であり、室内の温度差が生じにくい点も、多くの方に選ばれている理由です。
住宅における省エネの3つの性能
住宅における省エネ性能を以下の通りまとめていますので、概要を把握して自分たちの家づくりに取り入れて下さい。
- 断熱
- 日射
- 気密
順番に解説します。
断熱
断熱性能とは、住宅の壁や窓を通して室内外の熱の移動を防ぐ性能のことであり、住宅の快適性に直結するポイントです。
この熱移動が少ないほど冷暖房の効率が上がり、光熱費の節約に繋がります。
また、住宅の断熱性能はUA値(外皮平均熱貫流率)で表され、数値が低いほど断熱性能が優れていることを覚えておきましょう。
日射
日射遮蔽性能とは、日射熱の室内への侵入を妨げる性能のことです。
夏場、室内の気温上昇の要因は、外部からの日射熱であり、日射遮蔽性能が高いほど冷房に必要なエネルギーを削減できます。
また、日射遮蔽性能はηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)で表され、数値が低いほど省エネ性能が優れていることを覚えておきましょう。
気密
気密性能とは、隙間を通した空気の移動による熱移動の少なさを表しています。
気密性能はC値(隙間相当面積)で表され、数値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことを覚えておきましょう。
また、気密性の高い住宅では空気環境の悪化を防ぐため、計画換気が必要であることに注意が必要です。
省エネ住宅の基準
省エネ住宅の基準は1980年に制定され、都度、改正・強化されてきました。
具体的な内容として、住宅の外皮性能や住宅全体で使用するエネルギー量に関する基準が設定されています。
また、当該基準を上回る基準として、以下の内容についても把握しておきましょう。
- 低炭素建築物の認定基準
- 住宅トップランナー基準
順番に解説します。
低炭素建築物の認定基準
低炭素建築物の認定基準には外皮性能の省エネ基準の適合に加えて、一次エネルギー消費量が省エネ基準よりも10%削減できること、低炭素化対策を採用していることなどが要件として設定されています。
住宅トップランナー基準
住宅トップランナー基準とは、住宅事業者の分譲住宅や注文住宅などの省エネ性能向上を促す措置のことであり、外皮基準や一次エネルギー消費量基準が設定されています。
省エネ性能の高さを証明する目安として覚えておきましょう。
省エネ住宅の種類
省エネ住宅の種類をまとめていますので、それぞれにどのような違いがあるかを把握した上で、自分たちの家づくりの参考にして下さい。
- ZEH
- LCCM
- スマートハウス
- 低炭素住宅
- 長期優良住宅
順番に解説します。
ZEH
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、高い省エネ基準と太陽光発電など創エネを組み合わせることで、一年間のエネルギー消費量をおおむねゼロ以下にした住宅のことです。
高断熱・高気密に加えて、太陽光発電による自家消費により、光熱費の削減に期待できることが特徴に挙げられます。
LCCM
LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)とは、建設・入居中(創エネ)・廃棄までの期間でCO2の収支をマイナスにする住宅を指します。
ZEH同様に、断熱性能が高く、光熱費の削減に期待できることに加えて、地球環境にも配慮したエコな住まい方といえるでしょう。
スマートハウス
スマートハウスとは、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を用いて、使用電力を可視化することで、消費電力削減を目指す住宅のことです。
また、エアコンなどの家電をインターネットに繋ぐことで自動制御を実現しており、エコなだけでなく、利便性も高い住宅といえるでしょう。
低炭素住宅
低炭素住宅とは、先に述べた通りCO2排出を抑えるための対策の取られた住宅のことを指します。
省エネ基準も設けられており、省エネに特化した住宅といえるでしょう。
長期優良住宅
長期優良住宅とは、省エネ性能に加えて、耐震性や劣化対策など様々な認定基準の設けられた住宅のことです。
認定基準は多岐にわたるため、その他の省エネ住宅に比べて、認定が取りにくいことは否めませんが、それだけに長く住み続けられることの証明となるでしょう。
省エネ住宅のメリット
省エネ住宅のメリットをまとめていますので、自分たちの家づくりにどのような利点があるか把握しておきましょう。
- 季節を問わず快適に暮らせる
- 光熱費が抑えられる
- 減税制度・補助金が利用できる
- ヒートショックのリスクが少なくなる
順番に解説します。
季節を問わず快適に暮らせる
一つ目のメリットは、季節を問わず快適に暮らせる点が挙げられます。
高断熱・高気密の住宅は、夏は涼しく、冬は暖かく暮らせることが特徴であり、24時間換気による良好な空気環境にも期待できるでしょう。
光熱費が抑えられる
光熱費が抑えられることも、省エネ住宅のメリットの一つです。
冷暖房の稼働を最低限に抑えての生活も可能であり、住宅の省エネ性能は光熱費に直結する問題です。
住宅の省エネ性能により、光熱費は1.5〜2倍前後の差が生まれますので、建築費用だけでなく、生涯コストを含めて比較検討して下さい。
減税制度・補助金が利用できる
減税制度や補助金が利用できる点もメリットの一つです。
省エネ性能の高い長期優良住宅や低炭素住宅などは、住宅ローン控除の借入限度額が高く設定されており、登録免許税や固定資産税でも優遇措置が取られています。
また、ZEH支援事業や地域型住宅グリーン化事業に助成金が設けられており、建築費用の負担を軽減できることも踏まえて、省エネ住宅を検討して下さい。
ヒートショックのリスクが少なくなる
ヒートショックのリスクが少なくなることも忘れてはいけません。
省エネ性能の高い家は高断熱・高気密であり、室内の温度差が生まれにくいため、ヒートショックによる健康被害のリスクが少なくなります。
省エネ住宅のデメリット
省エネ住宅にデメリットはほとんどありませんが、強いて挙げるとすれば建築費用が割高になることでしょう。
どの程度高くなるかについては、建築会社の標準仕様次第ではありますが、太陽光発電による自家消費などによる光熱費の削減を考慮すると、長い目で見れば悪い話ばかりではありません。
なお、2022年現在では建築コストや光熱費を考慮すると、UA値0.46が最もコストパフォーマンスが良いといわれています。
維持費が安く快適に暮らせる省エネ住宅を検討しよう
省エネ住宅に共通するメリットは、高断熱・高気密による住まいの快適性であり、省エネ住宅の性能や種類によって、どの程度光熱費が変わるかを把握することが重要です。
その上で、建築費用とのバランスを取りながら、自分たちの理想の住まいに近いものを選ぶとよいでしょう。
建匠では、全国トップレベルの断熱性能を取り入れた省エネ住宅を提案しています。
家づくりにお悩みの方は、お気軽にモデルハウスへ足をお運び下さい。