冬の電気代の相場はいくら?高くなる原因や節約方法も解説
冬は1年で最もエアコンの使用率が高く、全国的に電気代が高くなる季節です。
2022年は、ウクライナ侵攻を機にロシア産資源の禁輸措置などがされ、燃料輸入価格が2倍前後高騰し、電気代も高騰しました。
大手電力各社は調達燃料費の高騰に抗しきれず、2023年4月頃から一斉に3〜5割程度の電気料金値上げを申請しました。
こうした状況を踏まえて、政府は2023年2月より『電気・ガス価格激変緩和対策事業』を展開し、電気・ガス料金の家計負担を抑える施策を展開してきました。
しかし、2023年9月(10月請求分)以降は補助額が半減されるおそれがあり、電気代が高くなる冬場を前に家計の負担はさらに増大するおそれが高まっています。
本記事では、冬の電気代で困っている人に向けて、電気代の上手な節約方法を紹介します。ぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
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Contents
冬の電気代の相場はいくら?
ここでは、冬の電気代の相場をチェックしましょう。以下の3つのカテゴリーから冬の電気代を分析します。
なお、冬の時季は12〜2月(請求月1〜3月)とします。
- 月別の平均電気代
- 地域別の平均電気代
- 世帯別の平均電気代
順に見ていきましょう。
月別の平均電気代
まず、2022年度の月別電気代(全国平均)を総務省統計局のデータから見てみましょう。
<2022年度月別平均月額電気代(全国平均)>(単位:万円)
2022年 |
2023年 |
||||||||||
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
1.39 |
1.18 |
0.99 |
0.98 |
1.19 |
1.32 |
1.28 |
1.15 |
1.25 |
1.71 |
1.86 |
1.76 |
※2023年9月時点
※参考:家計調査|総務省統計局
上記の表から、2023年に入って電気代が1.5倍近く跳ね上がっていることがわかります。
また、2022年の同時期(1〜3月)とも比較してみましょう。
<2021年度月別平均月額電気代(全国平均)>(単位:万円)
2022年 |
||
1月 |
2月 |
3月 |
1.29 |
1.53 |
1.62 |
※2023年9月時点
※参考:家計調査|総務省統計局
1年前の冬場と比較しても、1.2倍程度高くなっていることがわかります。
燃料費が高騰したことに加えて、冬場はエアコンや電気ストーブ、ファンヒーターなどの使用頻度が高いため、ほかの季節に比べて電気代がかなり高くなっています。
地域別の平均電気代
ここでは、冬場の電気代を地域別に比較してみましょう。
<2023年1〜3月地域別電気代>
全国平均 |
高知県 高知市 |
東京都 23区 |
大阪府 大阪市 |
北海道 札幌市 |
愛知県 名古屋市 |
福岡県 福岡市 |
|
1〜3月 合計 |
53,168円 |
50,378円 |
44,890円 |
45,543円 |
60,280円 |
48,729円 |
37,911円 |
1〜3月別 平均 |
17,722円 |
16,792円 |
14,963円 |
15,181円 |
20,093円 |
16,243円 |
12,637円 |
電力会社 |
– |
四国電力 |
東京電力 |
関西電力 |
北海道電力 |
中部電力 |
九州電力 |
6月以降値上げ幅 |
– |
23.0% |
15.3% |
– |
20.1% |
– |
– |
8月以降値下げ幅 |
– |
▲239円 |
▲327円 |
– |
▲327円 |
▲242円 |
– |
※2023年9月時点
※参考:家計調査|総務省統計局
地域別に2023年冬場の電気代を比較すると、調査した6エリアのなかでは札幌市が最も高く、ついで高知市、名古屋市が高くなりました。
その一方で、福岡市が最も低い結果となりました。
札幌市における冬場の電気代が高い要因は気候ですが、他の地域では各エリアの大手電力会社が設定する電気料金に左右される部分が大きくなっています。
また、高知市と札幌市においては、元々電気代が高いうえに6月以降の電気代の上げ幅も大きいので、今後もさらなる注意が必要です。
世帯別の平均電気代
ここでは、2023年1〜3月における平均電気代を世帯別に見ていきましょう。
<2023年1〜3月世帯別平均月額電気代(全国平均)>
総世帯 |
2人以上世帯 |
単身世帯 |
|
1〜3月計 |
43,939円 |
53,168円 |
28,019円 |
1〜3月別平均 |
14,646円 |
17,722円 |
9,339円 |
※2023年9月時点
※参考:家計調査|総務省統計局
2人以上の世帯における平均月額電気代は、単身世帯の2倍近くになっていることがわかります。
また、1年前の同時期(1〜3月)の世帯別平均月額電気代も見ておきましょう。
<2022年1〜3月世帯別平均月額電気代(全国平均)>
総世帯 |
2人以上世帯 |
単身世帯 |
|
1〜3月計 |
36,903円 |
44,542円 |
23,246円 |
1〜3月別平均 |
12,301円 |
14,847円 |
7,748円 |
※2023年9月時点
※参考:家計調査|総務省統計局
2023年の世帯別平均月額電気代は、前年同時期と比べて単身世帯、2人以上世帯いずれも1.2倍程度高くなっていることがわかります。
2023年9月以降(電気料金反映は10月)、電気料金値上げの緩和措置は延期される見通しですが、2024年度の冬場はさらなる値上げになるおそれが高いといえます。
冬の電気代が高くなる理由
冬の電気代が高くなる理由を解説する前に、夏と冬の電気料金を比較すると、以下の通りになります。
<夏と冬の電気料金比較(総世帯)>
3ヶ月総額電気料金 |
3ヶ月平均月額電気料金 |
|
冬場の電気代(2023年1〜3月) |
43,939円 |
14,646円 |
夏場の電気代(2022年7〜9月) |
29,291円 |
9,753円 |
※2023年9月時点
※参考:家計調査|総務省統計局
総務省統計局の調査によれば、夏場の平均月額電気料金(2023年1〜3月)は9,753円です。
一方、冬場(2023年1〜3月)は1万4,646円で、夏場の1.5倍程度になっています。
ここからは、冬場の電気代が高くなる理由を解説します。
- 暖房の消費電力が大きい
- 照明を長時間使用する
それぞれ見ていきましょう。
暖房の消費電力が大きい
冬場は室内の温度を上げるために、暖房機器の使用頻度が1年で1番多くなります。
電気機器を複数同時に利用すれば、電気代が高くなるのも無理はありません。
また、冬場にエアコンなどの消費電力が大きくなる1番の原因は、室内と外気温度の差が1年で最も大きくなるからです。
エアコンなどの暖房器具は、設定温度に達するまでの時間に最も電力を消費するので、外気温で冷やされた低い室内温度が低いほど消費電力は大きくなります。
ここで、国内各所の冬場と夏場の最高気温と最低気温を見てみましょう。
高知市 |
東京23区 |
大阪市 |
札幌市 |
名古屋市 |
福岡市 |
||
夏場 2023.8.1 |
最高気温 |
33.5℃ |
33.2℃ |
37.0℃ |
30.9℃ |
36.6℃ |
35.1℃ |
最低気温 |
26.1℃ |
22.2℃ |
28.4℃ |
23.7℃ |
27.8℃ |
25.9℃ |
|
気温差 |
7.4℃ |
11.0℃ |
8.6℃ |
7.2℃ |
8.8℃ |
9.2℃ |
|
冬場 2022.2.1 |
最高気温 |
13.2℃ |
13.1℃ |
10.3℃ |
0.7℃ |
8.5℃ |
18.8℃ |
最低気温 |
0.8℃ |
-0.7℃ |
0.6℃ |
-6.6℃ |
-1.9℃ |
4.3℃ |
|
気温差 |
12.4℃ |
13.8℃ |
10.9℃ |
7.3℃ |
10.4℃ |
14.5℃ |
※2023年9月時点
※参考:気象庁|国土交通省
上記の表からも、夏場に比べて冬場の気温差のほうが、どのエリアにおいても大きくなっていることがわかります。
札幌は気温差が1番小さくなっていますが、冬場の気温が1日を通して1℃を下回っています。
そのため、常時暖房機器を利用する必要があり、電気代は高くならざるを得ません。
その他のエリアにおいては、冬場における最高気温と最低気温の気温差が軒並み10℃を超えているので、冬場の電気使用量が夏場に比べて多くなりがちです。
照明を長時間使用する
冬場は夏に比べて日照時間が短く気温も低いため、在宅時間が長めになる傾向があります。
そのため、他の季節に比べて照明を使用する時間が長くなり、電気代が高くなる原因になります。
また、冬場は身につける肌着や衣服も多めになり、その分洗濯機や乾燥機を回す時間が多くなることも、電気代がアップする要因の1つです。
冬の電気代を上手に節約する方法
ここでは、冬の電気代を上手に節約する方法を解説します。
- 暖房器具の使い方を改善する
- 古い家電を買い替える
- 暖かい服装で過ごす
- 加湿器を使用する
- 断熱対策を行う
工夫次第で電気代を1〜2割程度ダウンできるため、ぜひ参考にしてください。
暖房器具の使い方を改善する
冬場の電気代のなかで、最も負担が大きい暖房器具はエアコンです。
寒冷地の北海道などでは、常時つけっぱなしにしている人は少なくありません。
エアコンの暖房費を節約したい場合には、サーキュレーターやシーリングファンの利用を検討しましょう。
エアコンによって暖められた空気は、上昇して室内上部に溜まる傾向があるため、サーキュレーターやシーリングファンで空気を循環させると部屋全体が暖かくなります。
シーリングファンは、インテリアとして部屋のアクセントにも使用できるのでおすすめです。
また、エアコンは自動運転を利用し、適温に温まったらなるべく20℃を目安に温度調節してみましょう。
古い家電を買い替える
冬場に限らず、電気代が高いと感じられる場合は古い家電を見直してみましょう。
特に、冷蔵庫やエアコン、テレビや照明器具などの大型家電は、最新の品物に買い替えると電気代を大幅に節約できる可能性があります。
10年前の家電を最新の家電に買い替えると、以下の表のような省エネ効果があります。
<10年前の家電を最新の家電に買い替えた場合の省エネ割合>
買い替えた家電アイテム |
省エネ割合 |
冷蔵庫 |
約40〜47% |
LED電気照明 |
約86% |
テレビ |
約42% |
エアコン |
約17% |
※2023年9月時点
初期費用は必要ですが買い替えのタイミングがマッチするのであれば、ぜひ検討してみましょう。
暖かい服装で過ごす
コストがかからずお手軽にできる節約方法の1つとして、暖かい肌着の使用や厚着で過ごす方法があります。
各種暖房機器の設定温度を下げられるので、室内でも着衣による防寒対策はおすすめです。
暖かい服装で過ごすことで室内の温度を20℃程度にキープできれば、かなりの節約効果が見込めます。
加湿器を使用する
人間の身体は、加湿されると体感温度が高くなります。
冬場はこの特質を利用して、エアコンと加湿器を効果的に併用しましょう。
加湿器を利用することで体感温度が上昇し、結果としてエアコンの温度を低く設定できます。
断熱対策を行う
自宅そのものの断熱性を新築やリフォームで上げられれば、最も効果的な省エネ対策が実行できます。
それ以外にも、すぐにできる断熱対策として以下の2つの方法があります。
- 断熱シート
- 断熱カーテン
断熱シートは、冬場の冷たい床の冷気をシャットアウトしてくれる優れものです。
アルミ蒸着フィルムと発泡ポリエチレン層で構成されており、フローリングとカーペットの間に敷くと、冬場の床の冷たさを感じることなく生活できるでしょう。
ホットカーペットと床の間に敷くとさらに効果的で、低い温度設定でも十分快適な暖かさを保てます。
また、断熱カーテンは、寒さの厳しい冬場でも室内を暖かく保ち、電気代も抑えてくれる優れものです。
熱の出入りが最も大きいのは窓周辺であり、暖まった室内の暖気が窓から放出されると、室温を一定に保てません。
断熱カーテンは、室内の暖かい空気が窓から逃げることを防ぎ、室内の保温効果を高めてエアコンや電気ストーブによる電力消費を抑えられます。
断熱カーテンを選ぶときは、なるべくカーテンレールから床までをカバーできる高さの物を選びましょう。
冷気は下に溜まりやすく、下部が空いているとそこから冷気が室内に入り込んでくるので、断熱カーテンの高さには注意してください。
冬の電気代を抑えた家づくりなら建匠
建物そのものが断熱性に優れていれば”冬は暖かく夏は涼しい”快適な住空間を手に入れられます。
冬場にエアコンの温度設定を20℃に設定した場合、断熱性に優れた住宅になると断熱性能の低い住宅に比べて、体感温度が4℃も高くなるほどの違いが生じます。
高知県でこれからマイホームを検討する人は、断熱性能に優れた極断熱の家を商品展開している建匠に相談してみてください。
建匠の『極断熱の家』は、高知県における断熱性能基準であるUA=0.87を大幅にクリアし、北海道レベルの断熱性能UA値0.46が標準仕様です。
その名の通り極めて断熱性能に優れており、冬場を暖かく過ごせるだけでなく、経済的にも光熱費を大幅に抑えられます。
断熱性能に優れた極断熱の家は、冬ばかりでなく夏も涼しいので、季節を通して快適な住空間を満喫できます。
冬の電気代を抑えられる断熱性能の高い住宅を検討している人は、ぜひお近くのモデルルームに足を運んでみてください。
冬の電気代に関するよくある質問
ここでは、冬の電気代に関するよくある質問に回答していきます。
- 冬の電気代はオール電化とガス併用のどちらが高くなりやすい?
- 1日の電気代に占める各家電の割合はどれくらい?
それぞれ見ていきましょう。
冬の電気代はオール電化とガス併用のどちらが高くなりやすい?
オール電化とガス併用については、生活の時間帯や電気・ガスの使い方によって異なるため、一概にはどちらが高いといえません。
しかし、基本料金については、電気料金で一本化されているオール電化のほうが安くなる可能性が高いといえます。
在宅時間が夜に集中する家庭(夫婦とも会社勤めをしている家庭など)にとっては、夜間の料金を抑えられるオール電化のほうが安くなる傾向にあることを覚えておきましょう。
また、省エネによる光熱費の節約として最も効果が高い方法は、断熱性を高めエアコンの稼働台数を減らすことです。
建匠が実現する『極断熱の家』では、断熱性が非常に高く換気の効率に優れている点などから、可能な限り省エネが可能です。
あわせて、太陽光発電や蓄電池を取り入れれば、電力会社から電気を買わずに済み節約にもなります(※)。
このように、建匠では買電による負担を減らせるようなプランもご提案しておりますので、電気代の負担に不安が残る方は、高気密・高断熱を実現した建匠の家づくりをご検討ください。
※ガスの使用量と基本料金は削減不可
1日の電気代に占める各家電の割合はどれくらい?
1日の電気代に占める各家電の割合について、以下の表を用いて紹介します。
<冬季:平成30年家庭における家電製品の1日での電力消費割合>
順位 |
家電製品 |
電力消費割合 |
1 |
エアコン等 |
32.7% |
2 |
冷蔵庫 |
14.9% |
3 |
給湯器 |
12.5% |
4 |
照明器具 |
9.3% |
5 |
炊事関係 |
7.9% |
6 |
待機電力 |
5.5% |
7 |
テレビ |
4.2% |
8 |
洗濯機・乾燥機 |
2.2% |
9 |
パソコン |
0.9% |
10 |
温水便座 |
0.6% |
その他 |
9.4% |
※2023年9月時点
※参考:平成30年度電力需給対策広報調査事業|一般財団法人日本エネルギー経済研究所
上の表からも、エアコンの占める割合が群を抜いて高いことがわかります。
また、コンセントをつけっぱなしにするなどの待機電力による電力消費も少なくないので、できる限りこまめにコンセントを切りましょう。
冬の電気代を抑えながら快適な生活を送ろう
今後、世界的なエネルギー資源の減衰や国内の電気料金値上げ緩和策の打ち切りなどによって、電気料金はますます高くなるおそれがあります。
そうしたなかでも、暖房器具の使い方や生活の仕方を変え、日常的にできる断熱対策で工夫しながら冬場の電気代を抑えていきましょう。
これからマイホームを検討する人には、ぜひ断熱性能に着目した家づくりをおすすめします。
断熱性能が高い家に住むことは、「健康的に過ごせるだけでなく、光熱費も抑えられる生活を手に入れられる」ことに繋がります。
ぜひ、建匠で高断熱住宅の住まいを検討してみてください。