断熱と遮熱の違いは?効果やメリット・使い分けるポイントも解説
この記事では、断熱と遮熱の違いを解説します。
家で快適に生活するためには、家の内部を心地よい室温に保つことが大切です。
断熱と遮熱は家の室温を維持する際に重要であり、それぞれの特徴を上手く活用すると快適な暮らしの実現につながります。
この記事では、断熱と遮熱の目的や仕組みの違い、それぞれのメリットを解説します。
断熱性能が高いおすすめの家づくりも紹介するので、暖かく快適なマイホームをゲットしたい人はぜひこの記事を参考にしてください。
【この記事でわかること】
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Contents
断熱と遮熱の基礎知識
断熱と遮熱は、どちらも室内に対する外部からの影響を抑えて家の内部を快適に保つための技術です。
過ごしやすく心地よい室内を実現するには、この2つをしっかりと理解することが大切です。
ここでは、それぞれの概要を簡単に解説します。
断熱とは
断熱は、外からの熱が内部に伝わったり部屋の中の熱が外に逃げたりすることを防いで、家の内部が外の空気の影響を受けにくくする技術です。
主に、 住宅の壁や窓、床、天井 に利用されます。
断熱性の高い素材を使用すると、室内の温度を一定に保ち、夏は涼しく冬は暖かい暮らしを維持できます。
遮熱とは
遮熱には、外の熱が家の内部に侵入することを防ぐ役割があります。
主に窓や屋根に使用され、夏の強い日差しによる室内の温度上昇を抑えてくれるのに効果的です。
遮熱を上手く活用できると、暑い夏も快適に過ごせるだけでなく、冷房負担を抑えられるので省エネにもなるでしょう。
断熱と遮熱の主な違い
断熱と遮熱は、主に熱への対策方法の点で異なります。
断熱は、壁の内部を通して出入りする熱の量を小さくします。
具体的に、冬に外から侵入する冷気や内部から外に逃げようとする熱の量を抑え、部屋の中の温度を一定に保つことが役割です。
それに対して遮熱は、強い日差しとそれに伴う熱が家の中に入り込むことを防ぎます。
そのため、遮熱には冬の保温効果はありません。
以上を踏まえたうえで、断熱と遮熱の違いを詳しく見ていきましょう。
- 目的の違い
- 仕組みの違い
- 効果が高い季節の違い
上記3点をそれぞれ解説します。
目的の違い
断熱と遮熱の共通目的は家を快適に保つことですが、快適な住宅を目指すためのアプローチが異なります。
先述の通り、断熱の目的は壁の内部から流入・流出する熱を少なくすることです。
家の外と中の温度差によって家の中の暖かい空気が外に出たり、反対に外の冷たい空気が家の中に入ってきたりすることを防止します。
一方で、遮熱は日差しを遮ったり直接反射したりして、家の中が日差しによって暑くなることを防ぐのが目的です。
特に、夏場の暑さ軽減に効果的であり、蒸し暑さを解消できるでしょう。
仕組みの違い
断熱は、壁や窓など、建物が外部と接触する部分に使用され、熱の伝達を遅らせる仕組みです。
外部からの熱が内部に伝わりにくくなるだけでなく、室内の熱が外部に逃げにくくなります。
遮熱は建物の屋根や外壁、窓ガラスなど日差しを受ける部分に使用され、赤外線などを含む太陽光を反射して熱の侵入を防ぐ技術です。
太陽光に伴う熱の侵入を妨げて、部屋の中が暑くなることを防ぎます。
効果が高い季節の違い
断熱は1年中その効果を実感でき、特に冬に得られる効果が大きいといえます。
冬は、外から冷たい空気が中に入り込むことに加えて、部屋の暖かい空気が外に逃げることも防ぐ必要があります。
高い断熱性を持った素材を使えば、壁を通して出入りする熱の量を抑えられ、快適な室温を維持できるでしょう。
一方で、遮熱の効果は主に夏場に得られます。
夏は日差しが強く、日差しとあわせて部屋に入ってくる熱の量も大きくなります。
日差しは夏の暑さの主な原因の1つであるため、遮熱によって熱の侵入を防止できると暑さ軽減に大きくつながるでしょう。
断熱のメリット
ここでは、断熱のメリットを解説します。
- 室内が夏は涼しく冬は暖かい
- 電気代が抑えられる
- 部屋同士の温度差が小さい
- 結露しにくい
上記4つのメリットを順番に見ていきましょう。
室内が夏は涼しく冬は暖かい
断熱材は室内と外気の間に流れる熱の量を抑える役割を果たすため、夏場は外部からの熱が室内に入りにくく、冬場は室内の暖かい空気が外に逃げにくくなります。
そのため、夏は涼しくて冬は暖かい快適な室内環境を維持できる点が特徴です。
1年中快適な居住空間をキープしたい人は、住宅の断熱性を高めることが大切です。
電気代が抑えられる
断熱性能が高い家では、年間を通して快適な室温を維持できるため、冷暖房にかかるエネルギーを大幅に削減できます。
夏には冷房効率が上がり、冬は暖房の熱が逃げにくくなるので、エネルギーの消費量を抑えられるでしょう。
断熱性の高い家は、長期的に電気代やガス代などの光熱費節約につながり、経済的に大きなメリットを得られます。
部屋同士の温度差が小さい
断熱性が高い家では家の中に熱が均一に広がり、家全体で快適な温度を維持しやすくなります。
そのため、部屋と部屋の間の温度差が小さくなる点がメリットの1つです。
特に、冬場に部屋の間を移動する際も寒さを感じることが少なくなるでしょう。
結露しにくい
結露は、室内の湿った空気が壁や窓など外部と接触する冷たい部分に触れて、水滴が生じる現象です。
家全体がしっかり断熱されていると、窓ガラスや壁の表面温度が下がりにくくなり、結露が発生しにくくなります。
結露はカビやダニが発生する原因でもあるため、結露防止は室内を清潔に保つためにも重要です。
遮熱のメリット
ここからは、遮熱のメリットを確認しましょう。
- 室内の温度上昇を防げる
- 日光による建物・家具の劣化を防げる
- 塗料の場合はメンテナンスしやすい
上記3つのメリットについて、それぞれ解説します。
室内の温度上昇を防げる
遮熱は、太陽の強い光や熱を反射したり吸収したりして、室内の温度の上昇を抑えます。
特に夏場は、直射日光による室温上昇が顕著になりますが、遮熱塗料や遮熱シート、遮熱カーテンなどを活用すると室温上昇の防止につながります。
太陽の熱が直接家の中に入ることを防ぐため、エアコンなどの冷房機器の使用頻度を減らしながら涼しい室内環境を維持できるでしょう。
日光による建物・家具の劣化を防げる
太陽光の中で特に有害な紫外線は、色あせや材料の老化を早めて家の外壁や床、家具などにダメージを与えます。
遮熱技術は紫外線をカットするため、これらのダメージを防止して家や家具の劣化を防止してくれます。
遮光を上手く活用すると、長期的に家や家具のメンテナンス・修繕費用の削減につながるでしょう。
塗料の場合はメンテナンスしやすい
遮熱塗料は、建物の屋根や外壁に塗って遮熱効果を得る手段です。
塗り替えが比較的簡単であり、特別な工事などを実施しなくてもメンテナンスができます。
メンテナンスにかかるコストを抑えられるほか、見た目を変えずに家の本来の姿を保ったまま遮熱ができる点が特徴です。
断熱と遮熱はどっちがおすすめ?
断熱と遮熱は、一概にどちらが良いなどはありません。
それぞれアプローチ方法が異なるため、上手に使い分けて活用することが大切です。
- 場所によって使い分ける
- 夏暑い地域では遮熱も導入する
ここでは、断熱と遮熱を選ぶ際に重要な上記2つのポイントを解説します。
場所によって使い分ける
断熱と遮熱は、家のどこに採り入れるかによって選択することが大切です。
例えば、冷たい空気が侵入しやすい北側の壁には断熱材を入れると良いでしょう。
一方で、強い日差しが入る南側の窓には遮熱材を入れることがおすすめです。
また、窓やドアなどの透明な箇所がある部分では、断熱材と遮熱材を組み合わせると、より効果を得られます。
採り入れる場所によって、断熱と遮熱を使い分けましょう。
夏暑い地域では遮熱も導入する
夏が非常に暑い地域や強い日差しを受けやすい地域では、断熱に加えて遮熱を導入することがおすすめです。
塗料やシート、カーテンなどを活用して太陽光を反射し、日差しによって家の室温が上昇することを防ぎます。
特に、屋根や外壁、窓ガラスなど太陽光を受けやすい部分に遮熱対策を施せば、夏場の冷房負担減少にもつながるでしょう。
断熱性能が高い家づくりなら建匠の『極断熱の家』
快適で住みやすい家づくりなら、断熱性能が高い建匠の『極断熱の家』がおすすめです。
極断熱の家は、北海道レベルの断熱性と気密性で特に冬場に暖かく過ごしやすいマイホームを実現できます。
通常の断熱材より約3.5倍厚い素材が使用されており、家の中の熱が逃げにくい点が特徴です。
また、建匠の外壁には透湿防水シートであるタイベックシルバー(※)が標準採用されているので、遮熱に特化しています。
そのため、高知県のような強い日射が伴う気候でも快適に暮らせるでしょう。
※参考: 透湿・防水・遮熱シート タイベック®シルバー│製品紹介│旭・デュポン
断熱性が高いため冷暖房などの光熱費節約にもつながり、長期優良住宅と比較して4,000万円程度の光熱費を節約できるといわれています。
以下のページで詳しく紹介しているので、気になる人はご参考ください。
断熱と遮熱に関するよくある質問
ここでは、断熱と遮熱に関してよくある質問に回答します。
- 断熱性能の高い窓『Low-Eペアガラス』とは?
- 遮熱シートと遮熱塗料の違いは?
- 遮熱カーテンは冬に逆効果って本当?
上記3つの質問をそれぞれ見ていきましょう。
断熱性能の高い窓『Low-Eペアガラス』とは?
『Low-Eペアガラス』とは、断熱性能に優れた窓ガラスの1種です。
“Low-E”は”低放射性”という意味です。
このガラスには、太陽光の熱を室内に取り込みながら、部屋の暖かさを外へ逃がしにくくする特殊なコーティングが施されています。
太陽光の中で熱を運ぶ赤外線の放出を抑えるため、夏は外部の熱が室内に入りにくく、冬は室内の暖かい空気が外に逃げにくくなります。
さらに断熱性能を高めたい場合は、トリプルガラスにすることがおすすめです。
ペアガラスよりも断熱性が一気に上がり、窓辺でひんやりと感じることが少なくなるでしょう。
遮熱シートと遮熱塗料の違いは?
遮熱シートと塗料は、どちらも太陽光の熱を反射して家の室温上昇を抑えることが目的ですが、使用方法・使用箇所が異なります。
遮熱シートは窓ガラスに貼る薄いフィルム状の遮熱材で、太陽光を直接反射して熱が室内に侵入することを防ぎます。
比較的簡単に取り付けられ、窓ガラスの形状に合わせて切って使用可能です。
特に、直射日光が窓から入るのを防ぎたい場合に効果的です。
一方で遮熱塗料は、屋根や外壁に塗って遮熱効果を得る塗料です。
塗料に含まれる成分が太陽光を反射して家全体の温度が上がることを防ぎます。
塗料には持続的な遮熱効果が期待でき、家の外観を変化させずに遮熱効果を得られます。
遮熱カーテンは冬に逆効果って本当?
遮熱カーテンは、夏場に太陽光を遮って室温上昇を防ぐ点で効果的ですが、冬場に使用するとその遮熱効果で太陽光の熱が家の中に入りにくくなるおそれがあります。
そのため、冬場は日中の太陽の位置が高い時間帯に遮熱カーテンを開けて太陽の光を取り入れ、夜や曇の日にはカーテンを閉じて保温効果を高める使い分けがおすすめです。
遮熱カーテンを家に採り入れる場合は、季節に応じて使い方を変えながら室内の温度調節を行いましょう。
断熱と遮熱の違いを理解して上手に使い分けよう
この記事では、断熱と遮熱の違いについて解説しました。
断熱と遮熱は家の中を快適に保つという目的は同じですが、アプローチ方法がそれぞれ異なります。
冬場に部屋の暖かい空気を外部へ逃したくない場合は断熱を、夏場に外ヵらの日差しによる熱を防ぎたい場合は遮熱を選びましょう。
また、断熱と遮熱は家の場所に応じて使い分けながら採り入れることがおすすめです。
特に窓などは、断熱材と遮熱材を組み合わせて室温維持対策につなげましょう。
この記事で紹介した『極断熱の家』は、高い断熱・気密性で冷暖房を使用しなくても常に快適な室内環境を保てます。
エネルギー費用の節約につながるほか、部屋同士を移動する際のヒートショックのリスクも下げられるため、家族の健康維持にも効果的です。
遮熱に特化したタイベックシルバーも標準採用されているので、 快適で過ごしやすい家づくりを実現したい人は、ぜひ建匠にご相談ください。